スマホを落とすとどうなったのか
戻ってきたスマホの電源を入れてスタートアップを進めると、通常は必要のない項目まで増えていて、それを入力しないと使えないようになっていた。
なるほど、と感心する。
しかしSDカード内のデータは消えていなかった。
特に写真のデータはまったく消えておらず、人によっては大変な事になっていただろうと思った。
自分の写真データはほとんどがツーリング先での風景写真なので問題ないが。。。
さて。。。
スマートフォンを落としたのは11月7日の朝、通勤途中になる。
というより会社の前で落とした(後に位置情報の記録で判明)。
出社して仕事の準備をして一息ついている時にスマホを出そうとして無いことに気が付いたのだ。
この時点で念の為会社の外に探索に出てみるも、見つけることは出来なかった。
最後に使ったのは通勤途中のコンビニで、アプリで決済を済ませていたので間違いはない。
とりあえず連絡を…と考えてみて動けなくなった。
というのも理由は簡単で
落としたので紛失届を所轄の警察署にれんら。。。連絡するスマホがねえ!
その前にスマホの止めなきゃならん!HIS(自分は格安SIM使用)の連絡先をしらべ。。。調べるためのスマホがねえ!
スマホがないのでどうにもならないというわけだった。
どうにもならないのがわかって、どうにかするにはネット回線に接続できるスマホかPCが無いとダメで、それらは自宅にはあるので、ともかく自宅に急ごうという予定にした。
もちろん仕事は手に付かない。
上司にはスマホを紛失し、帰宅して使用を停止する措置を取るので連絡が付かなくなります申し訳ございませんと謝罪して、一応会社まで来た道と同じ道で帰宅した。
そういえば自分は通勤のルートさえも往復で違うものを選びがちだと気付いた。
帰宅してPCを起動させてまず行ったのはスマホの場所の確認だ。
アンドロイドスマホにはいくつか位置情報を確認できる機能が備わっているが、焦っていてPCからその機能を呼び出す方法を探し回り、結局めんどうになってはっと思いついたロケーション履歴(=グーグルマップのタイムライン機能)を起動させた。
確認すると確かに会社までスマホを持っていた事が判明し、そのあと◯◯◯◯◯まで高確率で徒歩で移動した後、個人宅まで高確率で車で移動し、そこからまた車で移動、現在は商業施設内にいると表示されていた。
つまり、これはアレだ、予想していた最悪のケースの一つ前くらいのケースだ。
拾われて手元に戻らないタイプ…
ちなみに最悪なのはロックを解除されて思うがままに使われて高額な料金を請求されてもちろんスマホは戻ってこないというものだ。
この段階で少々どころか結構焦っていたのは間違いない。
とりあえず端末を探す(デバイスを探す)をようやく発見したので、落としたスマホにアクセスする事にした。
アクセスするにはスマホの電源が入っていて、もちろんバッテリーもそれなりに残っていなければならない。
そしてモバイルでもWi-Fiでもいいのでネットに繋がっている必要がある。
位置情報はGPSだけで取得していると思われがちだが、実際はモバイル回線のアンテナも併用して取得している。(他にWi-Fiも、Bluetoothはまずない)。
端末を探すで出来る事は5つある。
- 現在の端末の正確な位置情報の取得(これは地図に表示される)
- 端末の状態の確認(接続されてる回線とバッテリー残量とか)
- 音を鳴らす(マナーモードでも5分間着信音を出す)強制的なミュート機能を使った場合音は出ない・確認済み
- デバイスを保護(デバイスをロックしスマホの中にあるグーグルアカウントからログアウトする、ロック後も位置情報は特定することが出来る)
- デバイスデーターを消去(腹切、以後の位置情報は特定できなくなる)
どれも実際に使用した事はなかった。
使用するとどうなるかも無論わからない。
自分に今出来るのは情報を確認して実行コマンドを入力するだけだ。
まずはデバイスの保護を行った。
スマホは元々ロックが掛かっていて、指紋認証かパスワード、信頼できる場所でロックが解除される(太字は書いてて気がついた事実です)。
さらにロックを掛けたのはこれをやるとロック画面にメッセージを表示できるようになるからだ。
熟考の末、交番に届けて下さい という何とも陳腐なメッセージを出したのだが、拾い主がこれを確認したかどうかは定かではない。
拾われた後に滞在した場所の住所を入力しようかとも考えたが、どうも手元にスマホが戻ってくる可能性はなさそうだと思い、すぐにデータを消去に踏み切ってしまった。
自分は踏み切ってしまったが、どうしてもスマホを見つけ出したいと考えた場合でも決断が必要になる。
まず、アンドロイド端末のロックは非常に脆弱でPCとスマホを繋ぐケーブルがあれば10分程度でロックを突破できる簡単なソフトが存在する。
今回の場合だと拾い主は一度自宅と思われる場所に立ち寄ってしばらくしてから商業施設に向かっていて、もしかしてスマホで決済ですか?という状況が予想された。
アプリによっては端末に細かくロックをかけたり高度な遠隔操作が可能な物もあるが、時間がなければそういう事は不可能になる。
またバッテリー残量の問題もある。
拾ってくれた人がマメに充電するなら問題はないが、現実としてそれはほぼないだろう。
自分の端末も半分以下程度までバッテリーが消耗しており、それなりに触られていた可能性が高かった。
バッテリーが無くなるとこちらからの操作ができるなくなるので、出来る内に打てる手を打ちたい。
もう一つが回線で、SIMカードを停止させると当然回線は使えなくなり、そうすると遠隔操作は不可能になり位置情報も取得が難しくなる。
自分の契約してる回線は通話がかなり高い契約なので、充電しながら時報に通話され続けると大変な事になりかねない。
警察とか消防にイタ電しまくるとかも当然ゴメンなので、可及的速やかに停止措置をとる必要がある。
が、しかし…
回線を止めると遠隔操作が不可能になり、データの消去も出来なくなる。
そんなジレンマを解消できるのが、回線の一時停止機能。
これは契約している回線会社によるので何とも言えないが、自分の契約しているHISモバイルではインターネット上から簡単から停止させることが可能だった。
まあ焦ってたのでデータは消してしまったけど、ロックをかけて粘ってみるか、あっさりとデータの消去に踏み切るかは、状況をもう少し落ち着いて考えてからでも大丈夫だ。
多分。。。
こういう事も可能だという例に過ぎないが、落としてから色々考えたら思い浮かんだので念の為書いておく。
拾ってすぐにSIMカードを排出し、物理キーから強制初期化された場合打つ手はない。
遠隔操作でロックをかけるか端末を初期化させると、セットアップの段階で遠隔操作を行ったアカウントでのログインを求められるので拾われた端末が売られたり使用されたりは(かなり)無理だが、その前に初期化されてしまうとどうにもならなくなるのでご注意を。
データを消去してしまったあとは、もうスマホにアクセス出来ないのでSIMを停止してSIMカードの再発行を依頼した。
これで新しくSIMカード発行されれば元のカードのただの板切れになる。
次にデータの消去について詳しく調べてみた。
消去できるデータは主にスマホ本体のデータでSDカードのデータは消去できない可能性があると判明。
事実出来ていなかった。
SDカードにデータを保存してるかどうかはスマホの設定にもよるが「設定→ストレージ→デフォルトの保存場所」で確認できると思う。
あとはアプリ独自で保存場所を指定できるもの、特にカメラアプリがそうなんだが、いざという時に消去できないのは問題しかないのでSDカードは使わないほうがいいという結論に達した。
自分は写真に位置情報のタグを入れてないが、入れていた場合はイグジフから自宅の特定は容易だったろう。
ちょっとしたメモ帳代わりにカメラを使って撮影したりとかしているとか、いないと思うが機密性の高い情報を撮影したりとかしている人は絶対にメモリーカードをスマホに差して使ってはならない。
オゾン発生器とUSBファンをフルフェイスヘルメットの中に突っ込んでいる如何わしい写真とかならまだしも、ムキムキマッチョボディービルダーの写真が大量に出てきたら一部の奇特な人しか喜ばない結果になるので、基本的にSDカードは何もかもオープンでもかまわないって人か、暴かれたら突き抜ける人しか使わないほうがよさそう。
自分はカードを抜いてフォーマットした。
あと、SIMカードの一時停止はHISモバイルは早い、わかりやすい、簡単で大いに助かった。
ログインしてボタンを押すだけで一時停止の処理が開始されるし、同じようにボタンを押すだけで再開の処理がされるようになっている。
よく見るとATMなんかと同じようなボタン配列で、簡単だけど見ただけでわかるシンプルさは今になると非常に頼もしい。
焦っている時だとこれは助かる。
HISモバイルは特にオススメできるようなものは今まで思いつかなかったが、マイページのわかりやすさは素晴らしい。
一通りの処理が終わると夜も更けていた。
何も食べておらず腹も減らなかった。
空虚感と疲労感と徒労感。
なんだか毎日めんどうな事ばかりやっていて、どうにもならんなぁとか考えてしまう。
スマホは予備機を持っていて、セットアップもほとんど終わっているので、自室ならWi-Fiがあるので何も困らない。
再発行されたSIMカードを差してしまえば、やや使い勝手が悪いが以前と同じ様に日々は過ぎていくだろう。
だけどまあめんどうくさいと思ってしまう。
SIMカードが手元に届いたのは11月11日。
そう、ラストランの時だ。
差しちゃえばOKというわけではなく、HISモバイルはややマイナーな部類なのでAPIを手動入力しなければならず、APIを調べるためにはネット回線が必要だった。
ファーウェイのスマホはクソだ!っていうのは以前からわかっていたけど、ちょっと耐え難い部分はアプリでどうにかする方向で検討してみた。
特にカメラは…日常的に撮影しないシーズンになってしまうのでテストも難しくなる。
ツーリングのログデータの復旧とか、細かいアプリの設定などをやりながら日々は過ぎて、動きがあったのは12日だった。
それは一通のメール。
HISモバイルからのメールだった。
あいにく仕事中で見逃していたが、メールのタイトルを見て仰天した。
そこにはこう書かれていた
スマホの外側には個人を特定できる情報は何もないのだけど、SIMカードにはシリアルナンバーが振られていて警察はそれを元に通信事業者に問い合わせを行うことが可能となっている。所謂照会。
今回の自分のスマホはどうやって最寄りの警察署まで届けられたのかは訊かなかったし、誰がどの様にという説明もなかったのでわかりかねるけど、警察の窓口は温かい対応じゃなくて本当に良かった。
さすが接客とは無縁の場所だと思った。
近い対応だと札幌運輸支局の窓口になるんだろうけど、こういうただ事務手続きみたいな対応は好きだ。
戻ってきたスマホはアクセサリーの類もそのままで、SIMもSDカードも入っている。
ちょっと手違いで電源が入ってしまったが、セットアップ画面が出て、ああ、やっぱりロックは初期化で消えるんだなと思ってしまうが、実際は上記のようにアカウント情報を入れないと動かない仕組みなのでこれで成功している。
その時の自分はまだそれに気付けていなかったのだ。
Wi-Fiに接続してアカウント情報を入力し、スマートフォンは起動した。
特に問題はなさそう。
引き抜いたSDカードはもう用済みなのでフォーマットをかける。
念の為スマホ本体も再度初期化しておく。
それが終わったら以前と同じ様に使えるようセットアップを進めていく事になる。
今回の出来事ではセキュリティの重要性と共に避難訓練的な物事の重要性も痛感させられた。
応急救護や火災避難訓練は真面目に受けており、その重要性も理解していたがスマートフォンにまでその考えが至っていなかった。
以前と異なり携帯電話が扱う情報は多くなり、その重要性も増している。
扱いには注意が必要で、今回の紛失もいつもと携行方法を替えたばかりで起こった出来事であり、重ねて書くが注意が必要だ。
また、落とした際のマニュアル的な物、為すべきことの順番なども一度考えてみるのもいいかと思う。
自分は十分に考えさせられた。
勉強になった。
実戦に勝る訓練はないと故・佐藤大輔先生なら言うだろう。
まさに今回の出来事はそれだった。
スマホの携行には注意を払え、蓋のない物に携行するのは止めろ。
SDカードは使わない。
バックアップを怠らない(今回これだけは出来ていた)。
最善は即座にデータの消去を行うこと。
普段からパスワード、文字入力でロックを掛けること。パターンロックは重しと同じでロックではない(パターンロックを2秒で解除した事が多々ある)。
アイフォンを使え。
はい、セキュリティに関してはアイフォンがなぜああもうるさいのか理解できました。
アイフォンが使えないのなら覚悟して使うしか無く、何かあったらこうなるという事をを理解しなければならない。
この先何年も、生き方そのものが変わる出来事になりました。