走れオザキ 26
今日走り出さなければ、次はいつになるかわからない。
色々あったけど、無事に走り出した。
もう陽が長い。
きっと8月よりも長いと思う。
予想よりも渋滞していなかった道路を、ゆっくりと走る。
対向車線のオートバイが手を振ってくるが、ここはそんな場所じゃない。
ここは狩場だ。
33-72の狩場…
今日はナイスショット。
続々と寄せられる戦果の報告に、僅かながら華を添えてみた。
と、そんな事をしていたら夕陽に間に合わなくなる。
今日は赤井川村の冷水峠には行かない。
余市町のモイレ浜へ向かう。
余市町 モイレ 18時21分~31分
太陽はシリパ岬の左側へと沈んでいく。
ゆっくりと沈んでいく夕陽を眺めている…ことが出来なかった。
出る時はなかった風が強く吹いていて、気温は10度くらいしかなく、寒い。
自販機にホット飲料はすでにない。
もう少し見ていたかった、そう思いながら走り出した。
CB1100の、ストーブと変わらない熱量を発する空冷エンジンが暖かい。
オートバイをじっくり走らせると、不思議な感覚に見舞われるようになる。
今まで速度を出していた道も、ゆっくりと走らせると、違う楽しさを覚えるようになった。
もう少しスピードを出したほうが、車体は安定するはずだけど、その速度以下で走らせることに、何か感じるものがあるのだ。
いつもの場所で見ない夕陽と、いつもの場所で見る夕陽。
余市町 フゴッペ 18時43分
やっぱり走らせてよかった。